【Q:《ぼくハ 〔注文ガ〕 うなぎだ。》は 非線形だ。】
1. 和文と英文とを 人びとのその内面における発想のあり方にかんして くらべ
てみたい。
2. まづ和文の特徴を述べます。
( a ) ぼく‐ハ 〔注文‐ガ〕 うなぎだ。
あるいは
( b ) 象‐ハ 鼻‐ガ 長い。
これらのハ格およびガ格のはたらきについて捉えようとするなら そこには《非線形》
の構造が横たわる。という見方を提出したい。
3. そうして仮りに英文が:
( b-1 ): 象‐ノ 鼻‐ガ 長い。
( b-1-E ): Elephant's nose is long.
( b-2 ): 象‐ハ 持つ ひとつ・長い・鼻‐ヲ。
( b-2-E ): An elephant has a long nose.
のごとく表わされるとしたら これらの文型は いわゆる《 S-V-O 》などとしての一
本の線形の論理で固められている。と見られます。
4. ぎゃくに和文は ( b )の文例が ( b-1 )にも( b-2 )にも相転移し得て
その元の文が 非線形の構造を有していると推し測られます。
5. このとき 端的に言うかたちで問うのですが:
【Q‐1】 この線形論理にしたがう英文を母語として用いる場合には その発想
(もしくは 自己の思いの表出)のあり方は どんなふうになっているのか?
【Q‐2】 あるいはつまり 英文をも和文をも使いこなす場合には その発想のあ
り方は 違っていると思われるが それは どのようにか?
【Q‐3】 延いては 日常生活における態度や暮らし方・生き方は 違って来ると
言えるか? 思想の次元にまで影響はおよぶか?
6. 《A‐ハ B‐ガ C》なる構文と《 S-V-O 》文型との比較対照になります。
三つの問いは あまり違わないとも思います。自由に見解を述べてください。