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哲学いろいろ

surrey, uk

あまえ

 ▲ (依存から相互依存へ) 
 《依存》という言葉はさまざまな研究者や理論家の影響の下で 修正され 
明確化され 再定義されてきた。特に それと競合する《愛着( attach-
ment )》という用語が使われるようになってからはそうであった。最近では 
依存の相互行為的な互恵的な そして社会象徴的な性質を表わすのに 《 in-
terdependency (相互依存)》という語が用いられるようになっている。


 対人関係の臨床的な特徴を論じる中で スティーリン*1は生物学の用
語である《共生( symbiosis )》に類似したものとして《相互依存》という
言葉を使った。


 そのようにして《相互依存》は 

  《片利共生( commensalism )》と
  《共利共生( mutualism )》と
  《寄生( parasitism )》と

 に分けることが可能となった。このうちの《共利共生》が 親密で相互依存
的な人間関係に適合するものと考えられた。



( Frank A. Johnson : Dependency and Japanese Socialization――Psycho-
analytic and Anthropological Investigation into AMAE―― 1993
 江口重幸・五木田紳共訳:「甘え」と依存――精神分析学的・人類学的研究―― 
1997 第一章 pp28-29 )

*1:ティーリン:Stierlin, H. : The Adaptation to the Stronger Person's Reality in Psychiatry 21 1958