アウグスティヌス:結婚の善
霊の主題は 想定のかぎりで しっかりとした理論です。
ただし そのほかについては きれいごとで済ますのは お茶を濁すことになると思われます。
ので 次のような議論をも。
結婚には 肉的な あるいは若々しい不節制を それがたとい非難すべきものであっても 子孫を生むという高貴な働きに変えてしまう善がある。
その結果 結婚による結合は 情欲の悪を或る種の善にしてしまう。
それからまた 肉の欲望は 親としての感情がそれを和らげることによって 抑えられ より穏やかに燃える。
なぜなら 夫と妻が結び合うときに父となり母となることを思うと 燃え立つ快楽に或る種の重さが干渉してくるからである。
De bono coniugali 第三章 [3] 岡野昌雄訳