caguirofie

哲学いろいろ

言語類型論

Q&Aのもくじ:2011-03-26 - caguirofie

言語類型論における仮説です。どうでしょう?

http://soudan1.biglobe.ne.jp/qa8858413.html

 日本文と英文とは 構文ないし文型として 互いに対極を成すという見方です。

 1. 初めから 《文》を扱う。文は 話し手の思想をあらわすものである。

 2. 思想は 問いと答えとから成る。話者は ひとつの文の中で自問自答する。

 3. 問いは 主題( T )として提示される。答えは 主題を問いとし それに答える論述( P )である。答えが さらにあたらしい問いになるという意味でも 論述も 論述主題である。

 4. すなわち:

   T1 + T2 + … + Tn=P。

 5. これは 日本文および朝鮮文にならって 三項形式に還元する。三項に限るのは 勝手におこなったのであるが そうではなく あとあとその必然性が分かるものと思われる。

   T1  + T2  + T3=P。
   A ハ B ガ C ナリ/スル。――(α)類型とする。

 6. 議論を端折ります。世に言う能格( ergative )言語では おおむね 初めのふたつの主題提示を この日本文類型と同じようにおこなうことが ひとつです。 

 6−1. そのあと 論述主題にあっては 次のようにすでに述語動詞の担う意味内容から見てその主体(主格)および対象(賓格)を わざわざ示します。もしくはていねいに あらわすかたちを採る。この《主‐述‐賓》を 英文にならって S-O-V で表わすこととすると:

   T1  + T2  + T3=P。
   Aa   Bb   C= [ S′ - V - O′ ]

   ・  S′ / O′:《 ′》なるシルシは 人称接辞を示す。(接辞としての代名詞である)。
   ・ 賓格:だいたい対格か与格かである。

 
 7. Aa や Bb の 小文字のほうは 日本語のハ格やガ格に相当する格活用である。
  C= [ S′-V-O′ ]の中の S′ や O′ はたとえば こうである。

   英語ハ   彼ガ   話す。  :  (α)類型
   英語(A)a  彼(B)b   B′‐話す‐A′:任意に(μ)類型とする。
               ( he-speaks-it )

 8. したがって 大胆不敵な推測としては 英文は ここから T3=P なる論述主題《 Cナリ/スル。》にあたる能格言語の形式であるところの C= [ S′-V-O′ ]の部分が そのまま文の全体に広がり しかもそのおのれの線形なる論理のみで文を形成するというように展開した。のではないか?

   C= [ S′-V-O′ ]
   ⇒ He speaks English. : (ω)文型とする。

 9. 言いかえると 英文は 主題(つまり AやB)の提示を無くしたということである。日本文や能格言語文では 主題提示層とそして線形論理層との二層から成る構文である。だから 《英語ハ》のハ格は――中心主題を提示しますという役目を担うほかに―― 論述動詞につらなる意味連絡としては ヲ格(対格)を担う。

        (α): 英語ハ    彼ガ    話す。
        ___________________
  (主題提示層): 中心主題・・関係主題・・・論述
          
  (線形論理層): 対格(O)――主格(S)――述格(V)

 10. 英文は 主題提示層を無しで済まそうとしたのではないか?

 11. 中国語は しかし これらの構文や文型の決まりにはいっさい目もくれず 文法無しの文法でやりくりしている。言いかえると (α)構文における主題提示の部分もあれば 線形論理の S-V-O なる(ω)文型をも堂々と許容している。

 12. (α)構文と(ω)文型との中間に 能格言語の(μ)形式文があり 一般にこの(μ)形式文と英文の(ω)文型とのあいだにいろんな形態が諸言語において見られるようである。


 以上を問います。添削等をお願いします。