caguirofie

哲学いろいろ

かが‐み(影‐見)

Q&Aのもくじ:2011-03-26 - caguirofie

kaga/ kage

▲ (大野晋 古語辞典:) 〜〜〜〜〜〜〜
 ○ かがみ【鏡】
   カガは カゲ(影)の古形。影見の意。

    * kaga > kaga-i > kagä > kage
      《 -i 》は イの折れ。ama > ama-i > ame 雨。

 ○ かがやき【輝き】
   近世前期までカカヤキと清音。
   もとは 清音であるから カガヨヒ・カギロヒ・カグヤヒメとは語根が別。

    * なのだそうです。でも kaka > kaga という変化は
     同じ語根においても あり得るし 成り立つのではないか?

 ○ かがよひ【−】
   カギロヒと同根。
   ・静止したものが きらきらと光ってゆれる。

 ○ かぎろひ【―】
   カガヨヒ・カグツチと同根。揺れて光る意。ヒは 火。
   ・炎 / 陽炎 / あけぼのの光
 
 ○ かぐつち【迦具土・火神】
   カグは カガヨヒのカガと同根。光のちらちらする意。ツは 連体助詞。チは精霊。

 ○ かぐやひめかぐや姫
   カガヨヒ・カギロヒと同根。ヤは状態をいう接尾語。

 ○ かげ【影・陰・蔭】
   古形カガの転。カガヨヒ・カグツチのカガ・カグと同根。光によってできる像。明暗ともにいう。

     * 《明暗ともにいう》が 示唆的。

 ○ かげとも【影面】
   カゲ(光)ツ(連体助詞)オモ(面)の約。
   〈そとも(背面)の対〉 日の光にむかう方。南。/ 山の南


 ○ かげろふ【−】
   カギロヒの転。ちらちらと光るものの意が原義。あるかなきかの はかないものの比喩に多く使う。

 ○ かげろひ【−】
   光がほのめく。かげがうつる。 / ぼんやりと姿がうごく。 / 光がかげる。かげになる。

     * この語も 明暗ともに表わしうるかたちのよう。

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 ◇ 《かげ》は、ほんとうに「輝く」が語源なんですか?
 ☆ げんみつには 大野によると 違うみたいですね。すみません。

 こういうズルイ考え方もできます。つまり かかやく(輝く)とは別に かがみ(鏡)のカガや かがよひのカガから カガ‐ヤ(カガの状態)> カガヤ‐ク(カガの状態の過程相)という造語があったかも知れないと。やがて 合流したのだと。すみません。