caguirofie

哲学いろいろ

自尊心

Q&Aのもくじ:2011-03-26 - caguirofie

幼子に 自尊心にかかわるような本能もなければ ほかの人との競争心もないでしょう。

 ものごころが着くと ほかの人と自分との区別が出来るだけです。

 あとは 世の中のすでに出来上がっている仕組みとウゴキとに影響を受けるというのみです。

 とりわけ 身の周りの人びととの関係性や共生性においては――決しておのれの自由意志が左右されることはありませんが―― 何がしかの影響を受け そのときには あたかも相手の心理と絡み合ってその相手のうわべの心のウゴキをすでに自分の中にあるウゴキであるかのようにして振る舞うようになります。

 これは ひろく愛――つまり 社会的な共生における関係性――の為せるわざでしょう。

 ほとんど中立の心のウゴキですが なぜ愛と言うかといえば もともと自尊心も競争心もないにもかかわらず 相手のそのような心理に合わせて振る舞うことによって 相手がわれに還りもともとのおだやかな心を取り戻すのを目指しているからです。この愛は ほとんど本能のごとくはたらくと言ってもよいのではないでしょうか。自然本性としてそなわっているはずです。


 要するにひとは 世の中に入って行くにつれ 余計なものを〔こころの〕身に着けるようになります。《ひま》さえをも その《余計なカザリ》の内に捉えて 何とか世間哲学に対抗しようとしているのではないでしょうか?