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哲学いろいろ

戸ぼそを開けたまえ

アウグスティヌス:戸ぼそを開けたまえ

   おお  あなたよ 私にあなたを問い求める力をお与え下さい。
   あなたは私があなたを見出すことが出来るように創造されました。
   私があなたをいよいよ深く豊かに見出すようにという希望をお与えくださいました。

   あなたの御前にこそ わが力 そして わが弱さがあるのです。
   わが力を守りたまえ。わが弱さを癒やしたまえ。

   あなたの御前にこそ わが知とわが無知はあります。
   あなたが私のために拓きたまうたところで入り行くわたしを受け納れたまえ。
   あなたが私のために入口を閉ざしたまうたところで 叩くこの私に戸ぼそを開けたまえ。
   ・・・
    (三位一体論 vol.15 ch.28 中沢宣夫訳)

アウグスティヌス:逆に おまえが私に変わるのだ

  私の見た・・・光は 油が水の上にあり 天が地の上にあるような仕方で私の精神の上にあったのではなく 私を造ったがゆえに私の上にあり造られたがゆえに私はその下にあったのです。真理を知る者はこの光を知り この光を知る者は永遠を知る。それを知る者は愛です。

  おお 永遠の真理 真理なる愛 愛なる永遠よ!
  あなたこそはわが生命 あなたを求めて私は日夜あえぐ。
  はじめてあなたを知ったとき あなたは私を引きよせて 見るべきものがある だがそれを見うるだけの者にまだ私はなっていない ということをお示しになりました。
  そしてはげしい光線をあてて弱い私の視力をつきはなされたので 私は愛と恐れにわななきました。
  そしてあなたからはるかにへだたり 似ても似つかぬ境地にいる自分に気づきました。

  そのときはるかに高いところから

    私はおとなの食物だ。
    成長して私を食べられるようになれ。
    食べると言っても 肉体の食物のように
    おまえが私を自分のからだに変えるのではない。
    逆に おまえが私に変わるのだ。

 というみ声を聞いたように思いました。
   (告白 7・10 山田晶訳)