イの折れ の話(9)
尻にではなく頭にイの折れが来る場合(つづき)
インド・ヨーロッパ語族で 《りんご》を表わす語は 推定した原形が * abel だそうです。
推定原形 * abel
英語 apple
ドイツ語 Apfel
ロシア語 yabloko
ポーランド語 jablko
イタリア語 ―mela; 〔 pomo 〕
ギリシャ語 ―mi'lon
けっきょくこの《 abel 》系だけではなくほかにもあるようですが(イタリア語 pomo ) この :* abel の系統をまとめることが出来るようです。
つまりイタリア・ギリシャは 語頭の a- を落として しかも中ほどの子音 - b - を - m - に変えている。というものです。(日本語例:さび( -b- )しい ∽ さみ( -m- )しい)。
ロシア語などに -ko がついているのは まさに日本語で リンゴッコと言うかのように 親愛称もしくは指小辞としてついたものらしいです。
ちなみに メロンは これと同じ語源であるようです。(《果実》といった意味なんでしょう)。
――すなわちここでも一部分の言葉においてですが ロシア語がヤーブラコというように イの折れが 語頭に現われています。アップルを 語頭のアにイをつけてヤップルと言うがごとしです。