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哲学いろいろ

Nature or Nurture ( suite )

日本経済新聞2006・01・23朝刊21(科学)面・《常識を疑う(3)》
――佐野浩 奈良先端科学技術大学院大学教授

《遺伝子の発現をコントロールするメチル化という現象がある。DNA(デオキシリボ核酸)の特定箇所にメチル基が結合することで その部分の遺伝子が働かないようにする働きだ。
DNA配列の変化を伴なわずに機能が制御される仕組みであるエピジェネティクス(後生遺伝)の代表例だ。こうして起きた変化が世代を超えて子孫に伝えられることがある。

我々は イネの発芽時に処理して栽培し 全体の二−三%で背丈の低い矮性の形質を得ることに成功した。その子孫も矮性を維持し 少なくとも九代目までは遺伝することが分かった。DNAのメチル化が低下した状態も維持されていた。

獲得形質の遺伝の例はマウスの報告もあるが 植物での例が多い。
・・・》

  • 記事:《 Nature or Nurture 》を参照。