caguirofie

哲学いろいろ

μ さんの物語〔 μ −5〕

  1. わたしは 十年間の交際をもって キスのときの言葉に代える意味で 無言だった。
  2. ちいさく笑いつづけて 拒む姿勢を見せたので 一息(?)入れたが この時間は じゅうぶんに長く取った。
  3. こうなったからには このファースト・キスをするか・しないかで もはや交際をつづけるか否かを決すると捉えた。
  4. それは 一方的であっても そうしようとわたしは決めた。
  5. 顔をそむけるなどの仕種ではなく 顔をやや下向き加減にして くすくすと笑い続けた。
  6. それでも かまわず(=笑いに関係なく くちづける意志があるかないかを見るために) できるだけ唇を口にちかづけて とめていた。
  7. 少しづつ口をそらしつつ 笑いつづけた。