caguirofie

哲学いろいろ

マドモワゼル μ の物語〔 μ‐3〕


μ さんの話。


結婚申し込みに 否の返事を――しかも 《これからも 自由に遊びに来てください》との言葉を添えられて――受け取ったあと 結論から言えば かのじょは 三十歳を過ぎたあたりで 修道院に入ってしまいました。風の便りに知ったものです。


事情も知りませんが その時点も推測です。

その結果としても けっこう悩まされました。


たとえば わたしが そのかなり遠い山の中の修道院まで行って 門をたたいて 入れてくれと叫んでいる。もう何時間も 経ったころ 目の前に μ さんが立っている。もう一度 わたしは結婚の申し込みをする。その途端に かのじょは 頭をうしろに傾けるほどの大笑いをして わたしを追い払う。そこで目が醒める――こういう夢を見たものでした。