2010-12-04 そのあわい(恒信風) 詩 そのあわい 神の戦士としての微笑みと 父の息子としての恥ずかしみと のそのあわい たかとかえるとのそのあわい にふとすっぽりおさまって 無重力の遊泳でも意外とない 世界 にまんざらでもない鳥どもの交感を 見たと思っていた 高炉の火が消えたとて 歯車がロックの車座に代わったとて どよむ空気とてなく 恒信風が 赤いじゅうたんの上を吹き進み ネオンサインの間を駆け抜ける 常秋の星へのヴァイキングだと思っていた ときたま超ロングランを博す デルフォイの神託にもう酔うまい グーテンベルクの落とし子が催す 華々しいカーニヴァルにももう踊るまい 祭りを終えて 恒信風に乗った