caguirofie

哲学いろいろ

無題 (バスク語のお勉強)

Ses purs ongles très haut dédiant leur onyx

            • S. Mallarmé


水蒸気を上げる冷酷が
ドアをたたく音に
窓で息をしている


光が這い入る


闇の友に両手を広げて
ノックの主を尋ねている


雨模様だ

いや 雲を吐いているけれど
雷ひげを生やしているけれど


鼻が秋晴れのくしゃみをしている


鍵はかかっていないけれど
蝶番が凍ってしまったのだろうか
湯気でノッブが膨張?


カーテンが揺れる
もう北風だ


靄を払って風の精が階段を上がって行った


河がさざなむ


サーチライトが粉々に散った


主はどこ?


靴もくしゃむ


トントン トン


辞書は閉じよ バスク語


おやぢさん
コーヒーにしようか それとも ラムネ?


戸を開けたまえ
蝶が逃げないように用心して ただし
もういないよ しかし
影しか