桜井茶臼山古墳の石室公開
水銀朱で魔よけ、桜井茶臼山古墳の石室公開
10月22日20時58分配信 読売新聞
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一面朱に塗られている桜井茶臼山古墳の石室内と中央に横たわる木棺=代表撮影
大王級の人物の墓とされる奈良県桜井市の前方後円墳、桜井茶臼山古墳(3世紀末〜4世紀初め、全長200メートル)について、県立橿原考古学研究所が60年ぶりに石室を再調査し、魔よけなどのために、全面が鮮やかな朱色に塗られた内部を22日、公開した。朱色の原料は主に、「辰砂(しんしゃ)」と呼ばれる水銀朱で、少なくとも200キロ使われたと推定され、類例のないほど多量という。同研究所は「当時貴重とされていた朱をふんだんに使っており、被葬者の権力の強大さがわかる」としている。
石室は竪穴式で、長さ6メートル75、幅1メートル27、高さ1メートル71。壁面として積み上げられた石や、天井石の全面に塗られていたほか、一部残っていた木棺にも塗られていたとみられる。