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哲学いろいろ

《仮想的有能感》!?

夕刊に次の本が取り上げられている。(以下その件の記事は 毎日新聞2006・06・23夕刊12面《本の現場》佐藤由紀)

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

著者(1947〜 )は教育心理学名古屋大学教授。本は挑発的な題名だが 記事の見出しは 説明する。

意外 読者の半分が若者 4ヶ月で27万部。実は年配の人も問題です。

そして要するに 言わんとするところは 

他者を軽視することで自らの評価を保持しようとする〔人が増えている〕。

ことのようだ。これゆえにこそ 昨今の《ささいな争いが思わぬ事件に発展したり 仕事も勉強もしない若者が問題になっている》情況があるのではないかと。
この感情を 《仮想的有能感》と名づけたと言う。
紹介記事には 中味はもうほかに多くはない。

ネット上の反響は予想以上に大きく 

見くだしているのは団塊世代のあんたらのほうだ。

といった反論と

これは私のこと

という共感が半々だという。

ことのようだ。仮想的有能感に陥っているかどうかを測る11項目のテストもあるという。
次は インタヴューに応えた著者の言葉のようだ。

程度の差はあるが 誰にでも有能感はある。
しかし 実体が伴なわないのに 他者を否定することで 《自分はエライ》と考えてしまう人がいて そうした仮想的有能感をまったく意識していない。それが問題なのです。
・・・
いちばん大きな原因は人間関係が希薄になったことではないか。
・・・
簡単な答えはないのです。・・・そういう文化が日本にはある。答えは難しいですよ。

  • 仮想的有能感》・・・これは la virtualité virtuelle と訳すのだろうか。