2006-06-19 資本市場と企業統治 社会 小幡績――日本経済新聞・経済教室(2006・06・19) 資本市場で最も重要なのは 外部の少数株主の権利を保護すること。 村上ファンドやライブドアの問題を《株主と経営陣の対立構造の問題》と認識するのは 本質的に誤り。 彼らが大株主として他の株主の権利を奪い 自己利益を得ようとした疑惑が問題。 対立構造にあるのは株主対経営陣ではなく 大株主対その他大勢の一般株主。 大株主の利己的な行動から一般株主を守る制度改正が必要。 村上ファンドらの株価至上主義や拝金主義が誤りとの主張も的外れ。 株価は証券市場や経済全体にとって重要で神聖だからこそ 彼らが株価を操縦していたとすれば確実に罰するべきだという問題なのだ。 《誤発注》事件は東証による人災 システムの脆弱性をどう解決するかという問題として議論されたが 問題の本質は 顧客が誰かを証券取引所が認識していないこと。 誤発注をいち早く認識できる一部の投資家と それを知らずに取引せざるを得ない一般の投資家との間での情報格差によって 公平な取引が担保されなくなるという危機を東証が認識しなかったことを問題視すべき。 中村直人――日経(2006・06・18) コーポレートガバナンス(企業統治)の仕組みについて 《全体の利益》が大事 長期の価値向上こそ本筋