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哲学いろいろ

第二章d

全体のもくじ→序説・にほんご - caguirofie050805

第二章 作業仮説の目次
§6 作業仮説(§6〜§10)の概要
§7 文の分析――格知覚および格活用――

§8 つづき――相認識および相活用――:→本日
§9 つづき――法判断および法活用――:以下→2005-09-04 - caguirofie050904
§10 作業仮説(§6〜§9)に立って次なる課題へ

第二章 作業仮説(§8〔全〕)

§8 文の分析――相認識および相活用――
相認識は 文の理解の全般にわたって基礎を成す。
8−1 内面過程にあっては 知覚 / 認識 / 判断が段階を追って 表現すべき文を形成していくが すでに表現された文にあっては 必ずしも格知覚 / 相認識 / 法判断なる理解形式にかんして そうではない。(段階を追って 文を形成していくとは限らない)。
8−2 ただし格知覚は一般に 最初の作業であるかも知れない。
8−3 しかもその格知覚においても 相認識が基礎をなす。感覚において察知したあと その意味を認識しようとするということである。
8−4 たとえば格知覚においても 主題および論述という基本成分を その他の附属成分から分けて取り出さなければならない。つまり 主題格 / 論述主題格の格知覚は それら成分の主題提示相という相認識にもとづいておこなわれる。
いかなる種類の主題を提示しているのかという意味の理解がともなうことになる。もしくは この体言は 果たして主題を提示しているのかとの理解を必要とする。
8−5 あるいは論述収斂層で 主格−賓格−述格の関係を知覚するとき それら主体相 / 賓客相の相認識を分別することにもとづく。
8−6 あるいはこれらの例の場合にも 同時に じつは広義の法判断がはたらいている。
8−7 たとえば基本成分と附属成分それぞれの相認識を確定し 各種の主題格や格下げされたそれら(つまり附属成分=各種の条件詞)としてそれぞれを確定するのは 広義の法判断である。単純なことである。相認識を確定し またそれを承認し 格知覚の内容を判断・決定するのは 法判断である。最終の結論づけにあたる。
8−8 すなわち 主−賓−述のそれぞれの相認識をおこない 最終的にそれらとしての格関係に確定するのは やはり広義の法判断である。
8−9 しかも相認識が つねに全般的に基礎を成している。動作主相や賓客相などなどのゆえに 主格や賓格が決まるのであるから 当然ではある。
8−10 相認識のもっとも一般的なはたらきは 語句にかんするもの(すなわち語義の認識)である。
8−11 語としてのたとえば 文 / 人 / 語ル / ハ / ガ などの相認識は 言語に従って その社会的・歴史的な経験のもとに決まっているし 決まっていく。
8−12 語ルは これまでの文例で 語義として《ことばで思うところを伝える》の相認識を持つとされる。
8−13 あるいはまたこの語は 一般に動作・行為としての相認識に分類される。用言(動態用言)または動詞とよばれる。
8−14 つまりこの品詞分類も 相認識にもとづく。
8−15 これまで 主題成分(主題格)にあてられる語を 体言 そして論述成分(述格)を形成する語を用言とよんでいたが 次のようにも分類される。
8−16 語の相を モノ / サマ / コトで区分して それぞれに応じて 体言 / 状態用言 / 動態用言 としうる。
8−17 しかも 語ルは コトの相で用言であるが 語リとなれば なお用言であると同時に モノと見なしうるコトの相(概念相)になって 体言でもある。
8−18 仮りに《語リ方》とすれば コトにかんしてのサマの相で なおかつそれが モノと見なされて 体言である。
8−19 思フは 動態用言である。オモハシ・オモホシ・オボ(思・覚)シは サマの相で 状態用言(形容詞)である。
8−20 すでに品詞分類は終えているから これをまとめておこう。〔§3 / §§7−40〕

品詞分類

  1. 主題成分の中核: 体言(モノの相)
  2. 論述成分を形成: 用言
    • 動態用言(コトの相)
    • 状態用言(サマの相)
    • 補充用言(話者の意思のありか・あり方を示す)
  3. 附属成分の役割: 条件詞(修飾語句) 
    • 主題条件(体言主題に連なり主題体言を条件づける)
    • 論述条件(論述の述格用言を条件づける;副詞)
    • 文条件(文を条件づける;接続詞)
    • 超文条件(間投詞;文の外から文中に投げ入れられた語句。文中にあっても 意味上の格関係から離れている。)
  4. 主題格を提示: 格活用詞(ハ / ガ / ノ / ヲ / ニ / ・・・)

8−21 これらで すべて説明がつくとすれば 文の生成の観点から見て 品詞分類にかんする文法は 整合的だと思われる。
8−22 仮説としては すべての語は 体言(Ti)から出来たと見ている。もしくは 品詞の相が未定で ただ文に絶対提示されるという意味で 無格なる体言を 起源とする。
この無格の体言を 名辞と言おうと思う。要するに 形態素(たとえば 一子音+一母音〔CV〕)そのものである。(後述)
8−23 附属成分をなす条件詞は 体言ないし用言またはそれらの派生形態が 相活用を起こして 格下げされて出来たと仮説している。

  • 計リという用言の概念法活用形態(連用形)が バカリという程度を表わす格となり 条件詞にもなった。

8−24 たとえば主題条件は 主題体言にかかっていく属格語句(私ノ−思イ)または 用言の連体法なる活用形態(思シキ−人)によって成り立つ。
8−25 論述条件は ヨク語ル / 下手ニ語ルの例において ヨクが 状態用言・良シの概念法(連用形)なる活用形態であり そこから相活用(または相転化)している。論述成分の相から 附属成分の相へ転化し それでよいと法判断されたことになる。
下手ニは 体言(下手)+与格活用(ニ)から 全体が複合され 附属成分へと降下した。(または 下手ナリという状態用言の法活用形態を経由している。)
8−26 文条件(接続詞)については たとえば ソシテ / シカシが それぞれ 体言(其)+補充用言(シ)+補充用言(テ) / 体言(然)+補充用言(シ)から成り立っていると見る。
8−27 格活用詞(ハ / ガ / ノ / ヲ / ニ / ・・・)も 始原的にそれぞれ名辞としての準体言を想定するとよい。前項のソやシ(其れ)も 名辞 / 無格体言である。(この点 後述)。
8−28 用言も 体言ないし無格体言と密接なつながりがあった。

  • kata 型〜 kötö 事・言→ kata-ru 語ル などの例。→§§4−13

言いかえると 論述(P)も 論述主題(Tn=P)として提示されるところから出発するという考え方である。
8−29 語義の相 / 品詞の相 / 成分(基本か附属か)の相 / 主題の相(第一中心か 関係第二か 種々の副次関係主題か 論述か) / 論述用言の述格に対する格関係(主格か賓格か)の相 / 述格用言のになう判断形式(存続法か概念法か命令法かなど)の相 これらの相認識に従って 文における格活用および法活用が 決められ 了解されていく。

  • 相認識・相活用は このような位置にあり そこでの役割をになっている。

8−30 語義の相は 名辞=形態素CV( ka / ta / ra / ・・・)に従って それらからの派生として 語じたい( kata 型 / kara 空・殻/ taka 高/ tara 足ラ‐/ katara 語ラ‐/ takara 宝)が生成する。と仮説する。
8−31 文の表現ないしその理解にとって 格活用と法活用とが 形態的に表面に現われ 相認識は 裏面にしりぞきつつ それらすべての基礎になっている。