caguirofie

哲学いろいろ

うたの中のうた(雅歌)〔冒頭抄訳〕

第一章
ソロモンのうたの中のうた

そなたの口よりくちづけの中のくちづけ
をわたしに・・・あなたの
やさしみは ぶどう酒にまさり
あなたの匂いは 香あぶらのように
満ちあふれます。それゆえ
おとめたちは あなたを
愛するのです。

わたしを
伴なってください。わたしたちは
あなたに
ついてまいります。王が
わたしを その室にともなわれるとき
わたしたちは喜び
あなたによって よろこびを
持ちます。
わたしたちは ぶどう酒にもまさる
あなたの優しみを
よび求めています。
わたしたちが
あなたを愛することは ゆえのない
ことではありません。
わたしは
黒い肌ですが
でも
きれいです。
エルサレムの女性たちが証人です。
それは ケダルの天幕のようです。
ソロモンのとばりのようにです。
わたしが肌が焼けているからと言って
――それは太陽が灼いたのです――
わたしを見つめないでください。
わたしの母の息子たちは わたしを
かたきにして怒り わたしに
ぶどう園を見張らせました。
でも
わたしは
そのぶどう園をまもることは しません
でした。
わたしの
こころより愛するお方よ おしえて
ください。あなたは
あなたの羊の群れを
どこで養い
昼にはどこで休ませるのかを。
わたしは
あなたの仲間の群れのそばで 身を隠して
いるような
そんな人にさせないでください。

もし
女たちのもっとも美しき者よ
あなたがそれを知らないなら
牝羊たちの通った跡について行き
あなたの小山羊を
羊飼いたちの住むかたわらで
養い育てなさい。

わたしの伴よ わたしは
あなたを ファラオの車の
雌馬にたとえよう。
あなたの頬は首飾りのなかで美しく
えりあしは真珠をつらねて 輝こう。
わたしたちは あなたに
銀を散らした
金の首飾りを差しあげよう。

王が
王が 伴とともに その席についたとき
わたしの
わたしの香油は その匂いを
放ちました。
わたしの愛する方
それは
わたしにとって 没薬の袋なのです。
わたしの胸で 憩いを
見出します。
わたしの愛する方
それは わたしにとって
ヘンナ樹の花ぶさなのです。
エンゲデのぶどう園に生える花ぶさです。

わたしの愛する友よ あなたは美しい
あなたは美しい
あなたの
眼は
はとの目のようだ。

わたしの愛するお方 あなたは美しい
あなたは雄々しい。
わたしたちの床は 緑のなかにあり
わたしたちの家は 梁は 香油
たるきは いとすぎです。

第二章
わたしは シャロンのばら
谷の
ゆりです。
ゆりのように
わたしの愛するお方は おとめたちの中に。

林の樹々のなかの
りんごの木のように
わたしの愛する方は ひとびとの中に。
その木の蔭にわたしは坐ります。
その実は わたしの口に甘いのです。