caguirofie

哲学いろいろ

#62

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第二部 踏み出しの地点

§13 M.パンゲ《自死の日本史》 c

§13−3

わたしはパンゲが 次のように述べるとき おおむね同意する。

《意志的な死》が日本文学のなかに残した痕跡をとおして わたしはそれぞれの時代の精神がみづからを明らかにして行くのを見た。そして歴史生成のあらゆる契機において 個人の心理と集団の心性(* つまり どちらも われわれの言う《接触・参加》の場における心理であり問題である)が自殺するその人間において結合されているのを確認した。これ以上に個人の内面にかかわる行為はなのに(* すなわち 心理作用をどう捉えるかで 出発点や踏み出し地点また実践に かかわる) どれひとつとして社会と時代精神の深刻な影響をこうむらないではいない。

  • ただし これは まだ 《影響》を言うまでである。左右されるわけではない。そもそも 《心理》とは 外からやってきて そういう影響をあたえるものである。精神は 別に 奥に控えている。

それぞれの場合に 《意志的な死》は この行為の意味が汲み取られる人間的環境の矛盾を 暗闇から浮かび上がらせている。(* 交通影響に場面や情況として そうである)。したがって 社会学的観点(* 生活実践の事実行為ないし 行為事実)と心理学的観点とを結び付け 全体的分析と個体的分析とを相互に補完するようにしなければならないだろう。
(日本版への序)

さらに言うならば 《個体的分析》=当事者理論を 基本としなければならないであろう。しかし わたしたちはここで ここから 《心理起動力》で飛び立っては行かないであろう。そうしてはならないであろう。

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