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哲学いろいろ

#41

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第二部 踏み出しの地点

§11 山口昌男知の遠近法 (岩波現代文庫)

知の遠近法 (岩波現代文庫)

知の遠近法 (岩波現代文庫)

  

§11−1

これまでの議論にもとづき 人間社会をたとえば 近代の以前(1)と近代以後(2)との二つに分類して 次のように認識してみる。

(1) 供犠制度の社会
  (文化潜在=経済〔知解〕基礎の潜在)
・・・《人を黙らせる暴力‐犠牲の神聖化》といった供犠制度による〔それとしての〕文化秩序


(2) 供犠構造の社会
   (文化開化)
・・・《経済自由の合法的な力‐経済文化自由(法理念)の神聖不可侵〔たとえば 富国による合法的な力の犠牲者への福祉などのつぐない〕》といった合理的な(文化を開化させた)・しかしながら 供犠構造をとると思われるところの経済社会的な秩序世界

 供犠《構造》の段階では 制度として法(法治社会)が 前段階の供犠《制度》に取って代わっている。観念的に 観念共同の構造様式としては まだ 残っているかも知れないと見て。

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