caguirofie

哲学いろいろ

#37

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§9 住谷一彦『日本の意識―思想における人間の研究 (同時代ライブラリー)』 b

§9−2

批判の第二点は とうぜん 上の第一点から来る。
たしかに 真理と言ってしまえば それは 《神》と表現できなくはなく それが《個を超えた全体》とか《共同体自身》のことかどうかを別として われわれの〔思想の〕決定因であると まったく言えないことはない。あるいはわたしも そういう言い方をしているところがあるのだが この真理を しかしながら《三つの論理》の同時一体なる展開過程のあり方としてわれわれが表現した思想や理論そのものに おきかえることもできない。わたしも 真理を これこれ・あれそれの思想で 代表させたおぼえはない。住谷の場合 結局のよころ 決定因たる真理を 思想として――つまり 経験科学的に―― しかしその真理のまま 語ろうとする傾向があり しかもこの思想を 真理の代表物として 個人個人は その身におおいかぶらなければならないという口調(または 初めのそういう設定)が 見受けられると言わざるを得ない。

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