caguirofie

哲学いろいろ

#92

もくじ→2005-05-13 - caguirofie050513

第三部 キリスト史観

第一章 人間という種が変わる

第一節 第三部を始めるにあたって――ふたたび 《蝶は 蛹の時代を思わなくなるであろう》――

第三部は 《キリスト史観》の直接的な開示です。
《開示》とは いままで暗闇の中に――葬られてのごとく――あったものを 昼の明るさの下に 取り戻すことです。
《直接的な》とは これを 言葉によって人間の理性によって 表わすこと。
《〈キリスト史観〉の》とは キリストまたは神〔のお顔〕を 直接あらわすことではなく――誰も かれを顔と顔を合わせて 直接 見祀ることはできない(なぜなら 存在することじたいが知恵であり 知恵であることじたいが存在することであるお方の顔を 直視して生きない)―― 《暗きにあったものの直接的な開示》をとおして なお人間の謎において かれの像(すがた)を観想し かれの力と知恵を観想すること。(われわれは かれの背面〔人間性〕を見るであろう)。

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