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哲学いろいろ

三枝(さきくさ)

春されば まづ三枝(さきくさ)の 幸(さき)くあらば 
後にも逢はむ な恋ひそ吾妹(わぎも) (柿本人麿 万葉集巻10-1895)

中国から渡ってきた落葉の低木で、ジンチョウゲ科の植物です。秋の終わりごろ、枝の先につぼみがつき、春になると黄色の小花が咲きます。枝が三本ずつに分かれているので、ミツマタの名がついています。樹皮は強く良質で和紙の原料になります。また、現在の千円札などの原料の一つです。

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もくじ→2006-08-13 - caguirofie060813

《霞霏微》(その三)

われわれは 《知恵ある者を責め》えたであろうか。
人麻呂歌集・春の雑歌に先導されるようにうたわれる《鳥を詠む》《雲を詠む》《霞を詠む》等々の万葉集・雑歌を すでにうたいうるであろうか。
まずは

うちなびく春立ちぬらし わが門(かど)の柳の末(うれ)に鶯鳴きつ
打靡 春立奴良志 吾門之 柳乃宇礼尓 鶯鳴都
(巻十・1819)

という歌である。

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