caguirofie

哲学いろいろ

#35

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708

闋 空蝉の社会的解放――市民社会学の課題――

マルクス共産主義と粗野な共産主義とを対置して 後者を批判したとき その後者が 《出世間を先取りした空蝉形式(そういうイデア)》を表わしていないか。
すなわち 次の引用文の中では 《私有財産》と規定されたものを 《私的に領有された観念の資本(紫の上のうた)――だから 空しい涙をもって献げられた富の私的領有――》と読むべきである。

私有財産にたいして普遍的な私有財産を対置しようとするこの運動(つまり 粗野な共産主義)は 結婚(それは たしかに 排他的な私有財産の一形態である)にたいして 女性共有が したがって女性が共同体的な共通の財産になるところの女性共有が 対置されるという動物的な形態でみづからを告白する。

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