caguirofie

哲学いろいろ

#26

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708

章三 《光源氏藤壺》なる対関係――《観念の資本》の動態的過程――

公的二項の対立関係を見ると言っても ここでは そのいづれも 桐壺帝という一項からそれぞれ同じく発するものである。そこで この桐壺帝像について 触れておくべきであろう。次のごとくである。
ところで 最初のデート→懐妊→試楽とつづいた年のあくる年 その《二月(きさらぎ)の十余日の程に 男御子生まれ給ひぬ》るのであるが この《いと あさましう珍らかなるまで 〔源氏の顔を〕うつしとり給へるさま 〔源氏の子に〕まがふべくも》ない男子を この帝が みづからの手で抱いて 源氏に示し見せるくだりが語られる。まず このとき この場面について把握しておこう。

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