caguirofie

哲学いろいろ

#19

――源氏物語に寄せて または 観念の資本について――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708

章二補 《観念の資本》小論〓 ――夕顔の系譜としての浮舟論――

例によって ただちに次章に移る前に 小論を設けて 補足したいと思う。


ところで 戦後の日本において われわれの言う市民社会学を 一つのまとまったかたちで著わした芸術としては 次の二作品を挙げることができる。すなわち 江藤淳作家は行動する―文体について》(1959)および 吉本隆明定本 言語にとって美とはなにか〈1〉 (角川ソフィア文庫)定本 言語にとって美とはなにか〈2〉 (角川ソフィア文庫)》(1965)である。さらにこのうち どちらを採るかと言えば わたしは 前者を摂るものであるが いづれも おおきく言って共同観念の優位の社会にあって その動態性を説くことに主眼が置かれたものであると言ってよい。

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