caguirofie

哲学いろいろ

#4

――源氏物語に寄せて――
もくじ→2006-07-08 - caguirofie060708

序・補 対関係の光源氏類型 (4)

――市民社会の基軸概念として――
ここでさらに序論の場所を設けて 序に引用した源氏物語の一節・すなわち帚木・冒頭の部分をめぐって 必要な限りあらかじめ考察をくわえ この原論の前提事項として検討しておきたいと思う。


はじめに この一節は 一般に 主人公・光源氏の人となりを明らかにし また作者の前口上を述べるというふうに 解されている。この帚木の巻では 源氏は 十七歳(数え年)の青年として登場する。そしてこの冒頭の部分は 前巻つまり巻一・桐壺の後半で 十二歳の少年に到るまでの主人公を述べたくだりを 年月の開きにかかわらず 直接 承けている。

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