caguirofie

哲学いろいろ

#30

――ボエティウスの時代・第二部――
もくじ→2006-05-04 - caguirofie060504

§3 バルカン放浪 ** ――または 家族論―― (30)

ただしここで われわれのテオドリックの彷徨は つづく。
ひとことで言って ゴートの《事業》は 対内的に 安定に向かい 対外的に 依然 流動的であった。それは 言いかえれば 対内的には 労働による時間の獲得・共同生活の樹立 対外的には 移動=侵攻という時間化への 荒々しい動き(模索のみ)である。その意味で ローマとゲルマーニアとは 世界が まさに――二種の平面の交錯するといったような――戦争期にあった。

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