caguirofie

哲学いろいろ

#26 

――ボエティウスの時代・第二部――
もくじ→2006-05-04 - caguirofie060504

§3 バルカン放浪 ** ――または 家族論―― (26)

テオドリックは マケドニアの地にあって 互いに共同してゴート種族を率いながら 憂鬱でも 爽快でも なかった。逆に言って ゴート種族の内にあっては 孤独が孤独でない爽快さを味わい その外に向けては 孤独が孤独である憂鬱さを持った。
ここでは その外に向けての働きかけは まだ措いておいて その内なる世界を 特に かれの《家族関係》をとおして見ようとするものであることは すでに述べたとおりである。
そこで次には この家族関係を つまりその単位としての三角関係を さらに具体的に 平面的な《種として》の孤独関係(上位の一辺を構成する対の関係という二角関係)と 垂直的な《類として》の孤独関係(上位の両角と 底なる第三角としての子との それぞれの二角関係 ないし 全体的な三角関係)とというふうに 分けて見てみよう。

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