#12
――ボエティウスの時代・第二部――
もくじ→2006-05-04 - caguirofie060504
§2 バルカン放浪 *――または 孤独―― (12)
まず最初には その前に 叔父ウィディメル隊のほうのその後の消息について触れておくのがよいかと思う。
テオドリックの叔父にあたるもう一人のゴート王ウィディメルは 分割された自らの種族共同体を率いて イタリアに向かったのであるが このローマ帝国の西側領土の中心地であるイタリアでは ゴート種族のパンノニアからの移動の年(四七二年のことだが)にコンスタンティノポリスの皇帝レオ〔??世〕の送った西の皇帝アンテミウスが やはり蛮族・すなわち特にゲルマーニアからのいくらかの種族の者たちによる 内部からの攻勢を防ぎ切れず ついに 暗殺されるという結果をもって まず しりぞけられたのであった。