caguirofie

哲学いろいろ

#25

――遠藤周作論ノート――
もくじ→2005-11-03 - caguirofie051103

§38 場違いの断章

このゆえに 世あるいは世の部分を支配するあの権能(抽象普遍のアマテラス語になる理論――引用者(以下 記号の*で示す))によって神を問い求める人びとは神から引き離され遠く散らされる。しかしこれは場所の離隔(権力への遠近*)によるのではなく 情念の多様性による。

  • 情念の多様性が アマテラス語理論を何とかして体系化し 欠陥のないものにしようとする。これが 知の私有財産制――というもう一つの権力の構築――の始めである。*

それゆえに かれらは聖なる天的な権能について語るのを聞き あるいはそれをあれこれと思っても 人間の弱さを驚異させるかれらの業(わざ:世界一の知者となること*)を願望するが それによって神の憩いが与えられる敬虔を倣おうとしない。かれらは敬虔によって天使(思想*)の存在を欲するよりも 高慢(高慢とは 自己の心を楽しませること*)によって天使の能力を欲する。

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