caguirofie

哲学いろいろ

#30

もくじ→2005-09-23 - caguirofie050923

市民が社会をつくる

33(デュルフェ:《アストレ》の問題)

かのじょは腹に考えをもった。目の前にいる男に向かって軽蔑をあらわにしなければならない。案の定 その心の火は激しく燃え出してくれた。男は口を開こうとしたが かのじょは かれの最初の声の出るのをさえぎって 言うことができた。
――羊飼いさん あなたのあだし心がそんなに悪辣なのでしたら いくら剛情を張ってわたしをだましつづけようとしても もう 無駄です。あなたに自由に誘惑させようとしたのは このわたしです。わたしがだまされたとでも思っておいでですの?いいほどわたしに逆らっておいて まだ わたしの初めのはかりごとを つづける気ですの?顔色ひとつ変えずに 誓いを破った心を隠しながら よくもそこに突っ立っておいでですのね。あんたなんか ほかの女のとこにでも 行ってしまいなさい。

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